債務整理はどの方法ですべき？特徴やメリット・デメリットを解説

債務整理には主に４つの方法がありますが、最適な方法は、それぞれの具体的な状況に応じて異なります。

そのため、弁護士などの専門家に相談して判断することが大切ですが、ご自身でもそれぞれの方法の特色などを知っておくことは重要です。

本記事では、債務整理の主な４つの方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

１．任意整理の特徴とメリット・デメリット

任意整理の特徴

任意整理は、返済が困難になった比較的初期の段階で行われる債務整理の方法です。

任意整理は、他の方法と異なり、裁判所が関与せずに行われる点に大きな特徴があります。

もっとも、金融業者が返済計画に同意すれば任意整理できますが、同意を得られない場合には任意整理の方法によることはできないので注意が必要です。

任意整理のメリット

任意整理のメリットとしては、まず簡易な手続きで進めることができる点が挙げられます。

そして、家族や勤務先など、周囲に債務整理の事実が知られるリスクが少ない点もメリットになり得ます。なぜなら任意整理は整理対象の債権者を選択できるので、親戚や職場などからお金を借りていても、対象に選択しなければ知られるリスクは少ないためです。

また、任意整理では、住宅ローンの返済先は任意整理の対象から外して家を残すといった方法で残したい財産を残せることもメリットになります。

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットには、信用情報機関に情報が登録されるため、一定期間はローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることができなくなることが挙げられます。

しかし、この点は、他の債務整理の方法でも回避できないデメリットになります。

また任意整理の打診によって、相手の金融業者が貸金返還訴訟を起こす可能性があることもデメリットといえます。

２．特定調停の特徴とメリット・デメリット

特定調停の特徴

特定調停は、裁判所が関与するものの簡単な手続きで進められるため、弁護士に依頼せずに本人で対応しやすいという特徴があります。

特定調停では、基本的に当事者の合意を目指しますが、債権者が合理的な返済計画に不当に応じなければ、裁判所が職権で必要な決定を出すこともできます。

特定調停のメリット

特定調停のメリットには、費用が安く手続きが簡易迅速な点が挙げられます。

また、官報に載らないことや給与の差押えなどの強制執行手続きをストップできることもメリットといえます。

特定調停のデメリット

特定調停のデメリットには、平日の昼間に裁判所に数回行かなければならなくなる点が挙げられます。そして信用情報機関に事故情報が登録されることや任意整理よりもカットできる金額が少ない傾向にあることもデメリットといえます。

また、調停が成立した場合に作成される調停調書は判決書と同じ効力を持つため、不払いがあればすぐに強制執行されるリスクがあります。

３．「個人再生」の特徴とメリット・デメリット

個人再生の特徴

個人再生は、裁判所が関与して強制的に借金を大幅に圧縮する手続きである点が特徴です。

ただし利用できる対象者は、継続した収入を得る見込みがあるなど限られていることも特徴といえるでしょう。

個人再生のメリット

個人再生のメリットには、家や車などの特定の財産を手元に残せる可能性があることが挙げられます。

また、手続き中に職業制限を受けないことやギャンブルが原因の借金でも手続きできることなどもメリットといえます。

個人再生のデメリット

個人再生は、限られた期間内でさまざまな必要書類を裁判所に提出しなければならない複雑な手続きです。そのため弁護士などへの依頼が必須で比較的費用がかかることは、デメリットといえます。また、信用情報機関に登録されることや官報に掲載されること、自己破産と違って返済を完全に免れることはできないこともデメリットといえます。

４．「自己破産」の特徴とメリット・デメリット

自己破産の特徴

自己破産は、持っている資産を清算しなければならない代わりに、すべての借金の返済義務を免れられることが最大の特徴です。

ただし、借金の原因がギャンブルや浪費などによる場合には、返済義務を免れることはできません。

なお、自己破産の手続きにおいては、すべての債権者を平等に扱わなければならず、一部の債権者にのみ返済することは認められないという特徴もあります。

自己破産のメリット

自己破産の最大のメリットは、借金の返済義務を免れることができる点です。しかし税金や養育費などの支払い義務は、自己破産後も免責されません。

自己破産のデメリット

自己破産を選択した場合、破産手続中は士業や警備員などの一定の職業に就けなくなるので、対象の職業に就いている場合には大きなデメリットになります。

そして、信用情報機関に登録されることや官報への掲載、財産を手放さなければならないこともデメリットといえます。

５．まとめ

本記事では、債務整理の方法ごとに、主な特徴やメリット・デメリットを解説していきました。債務整理をする場合には、弁護士に相談して進めることが大切になります。お一人で悩むことなく、できるだけ早期に相談することがおすすめです。